留学してみてわかったこと~大学院留学準備コースを振り返って~

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ブリティッシュ・エデュケーション・オフィス(以下BEO)の大学院留学準備コースを2007年夏に修了し、現在バーミンガム大学で応用言語学修士コースを履修中の北澤真理子さんより、現在の準備コース受講生に対し留学体験談をお話して頂きました。


Q. 現在、修士論文で使用するデータ収集のため一時帰国されているとのこと、12ヶ月の修士コースの途中で、リサーチのために帰国するということは大学院コースでは珍しくないことなのですか。

A. 各学生のリサーチの内容にもよります。私自身、このリサーチでは日本人からデータ集めをする必要がありました。当初は現地でできるだけデータを揃えたいと思っていましたが、イギリスにいる日本人のみをターゲットとすると趣旨がずれ、データの有効性が下がると考えました。

また、皆さん"Research Gap"という概念は既に授業で学んでいると思います。リサーチの価値を考えたとき、これまでに研究されたことの無いことをリサーチし発表することが大切です。そのためにはやはり、イギリスで現地の学生や学者が今までにやったことのない研究をすること、そして日本人である自分だからこそできることに取り組んだほうが、有利なのではないでしょうか。


Q. 実際に留学してみて驚いたこと、また困ったことなどはありますか。

A. 渡英前に思い描いていた留学のイメージでは、「現地で生活すれば英語が上達する」と思っていたんですね。ところが、実際は修士コースの勉強が非常に忙しく、英語でのコミュニケーション能力を現地で上げるということは難しいと感じています。例えば、エッセイの提出前などでまるまる4日間くらい寮の部屋とバスルームの行き来くらいしかせず、日本語も英語も一言も話さずに過ごしたこともありました。

また、クラスメートの国籍は様々で、国際色豊かな環境なのですが、日本人以外の学生は、たとえ文法が少々間違っていようが皆の前で堂々と意見を言うことができるんですね。逆に自分はどちらかというと完璧な英語を話そうとしてしまうためか、発言をためらってしまうことがあります。これは日本人の国民性ですかね。クラスメートと対等にディスカッションできる度胸と言いますか、アカデミック・スキルの重要性を感じています。


Q. 出発前にやっておいたほうがよい準備などありますか。

A. 進学先から事前に配布されるReading Listの文献を読んでおくことは良いことだと思います。全ての文献とはいかなくても、一冊でも読んで専門科目の知識をつけておくと、渡英してからもだいぶ精神的に自信がつきます。

英語学習に関しては、色々なアクセントに慣れておくと良いと思いますよ。イギリスで出会うクラスメートや先生など本当に国際性が非常に豊かで、話す英語も様々です。国籍の違いに限らず、イギリスの地方それぞれのなまりも現地で初めて経験して驚きました。実際に、イギリスで最もスタンダードなきれいな発音とされるRP(Received Pronunciation)は、たった3%の人口によってしか話されていないそうです。大学院留学準備コースでの受講を通して、一般教材やBBCニュースで聞く英語だけでなく、留学してからの現実的な英語に慣れておいたことは現地に行く前の良い準備になったとつくづく感じています。準備コースにはインド人の先生などもいると思いますが、様々な国籍の先生から学ぶ機会に恵まれていることが、実際の留学生活できっと役に立つと思いますよ。


Q. 現在、準備コースの内容がハードで、今やらなければいけないことだけでも盛りだくさんだと感じています。特に、タイム・マネージメントについては、準備コース受講中はどのように工夫をされていましたか。

A. 私は、BEOへの通学に時間がかかっていましたので、電車での通学時間を有効に使うよう心がけていました。何もアイデアがないままパソコンに向かっても論文ってはかどらないんですね。パソコンに向かう前にアイデアを貯める方法として、電車の移動中の時間を活用して、頭の中で様々なプランを練るようにしました。人それぞれやり方は違うと思うのですが、タイム・マネージメントが上手いかどうかは性格にもよるかもしれません。元クラスメートとは今でも連絡を取り合っていますが、準備コースのときいつもギリギリで課題を完成させていたのですが、現地大学院に入ってもやはり課題の提出はギリギリのようです(笑)。それぞれの性格にあった対策方法が必要かもしれませんね。


Q. 北澤さんは、準備コースで非常に優秀な成績で修了されたと聞いています、この準備コースで成功する秘訣をぜひ教えてください。

A. リサーチについて言うと、あまり手広くしすぎないことでしょうか。欲張って色々なところに手を出し始めると、まとまりが無くなってしまいますし、時間的にも無理が生じてきます。自分ができる範囲を決めてきちんとやること、なるべくリサーチする対象を狭めることです。また、チューターとのコミュニケーションも非常に重要です。チュートリアルの際も、ただ単に漠然とした考えを持って臨むのではなく、きちんと事前に下準備をして、具体的に相談したい項目を決めておくことが必要です。プランが漠然としたままで担当教官に指導を仰いでも、相手は皆さんが期待するレベルでの指導はできません。相手に求めるレベルに相応しい準備を学生自身が事前に用意してくる必要があるということですね。もちろん、これは当然大学院に進学後も当てはまることです。

また、論文についてはターゲットの長さより語数を多く書き、そこから削っていくことを常に意識しました。基準の語数に足りないからなんとか延ばそうと付け足していくと、それだけ内容が薄くなります。準備コースの論文は5,000ワードですから、いかに語数を減らして最終的に5,000ワードに仕上げるかということを念頭において取り掛かるくらいでちょうど良いかなと思います。

ちなみに、正直言って準備コースで取っていたレベルの成績を実際の大学院コースで取ることは決して簡単なことではないです。エッセイの点数もだいたい準備コースで取れていた成績からマイナス10点位のレベルですね。

私は、日本の大学で政治経済を学びましたので、大学院留学の前に、準備コースの受講を通して準備した以外に特に関連の職歴ですとか言語学のバックグラウンドを持っていませんでした。現在のクラスメートの中には、ヨーロッパ人で英語もネイティブレベルに話すことができ、また学部で既に言語学を専攻してきた友人もいます。そういった学生と比べるとやはり自分の知識や英語力は劣ると感じますし、最初は不安や戸惑いもありました。しかし、自分が履修するコースでは、必ずしも事前の専門知識が必須かというとそうでもないんですね。逆に、大学や準備コースで学んだ政治経済など社会科学系の知識が大いに役立つこともあり、その点非常に助かっています。社会科学系の専門科目を準備コースで学ぶことにより視野を広げておいたことが、アカデミックな面においても役に立ったと感じています。


Q. 日本人の留学生は、就職活動などどうされているのでしょうか。

A. 修士コース期間中の忙しさは学生により大きく異なりますので一概には何とも言えませんが、現地でコース履修中に就職活動を進める人も結構います。逆に忙しすぎて就職活動に時間が取れない人もいます。日本にいる間に人脈を作ったり情報収集をしたり、現時点でできることだけでも今のうちから行動に移しておくと良いと思います。

私はこの後イギリスで更にPhDコースに進みたいと考えています。自分が研究したい分野で有名な先生がいるサウサンプトン大学への進学を決めました。私はイギリスに残りますので、現地で皆さんとお目にかかる機会があるかもしれませんね。無事に準備コースを修了した皆さんとイギリスでお会いできることを楽しみにしています。


★修士課程で高成績を修め、見事ご希望のPhDコースへ進学されました。

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