大学院留学体験談
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。
アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ
東郷 なりささん
留学先:アングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin University
留学分類:大学院留学
専攻名:チルドレンズ・ブック・イラストレーション MA Children's Book illustration
留学期間:2010年9月〜2012年1月
beoの留学サポートを利用して留学。個人ブログ「クイナ通りSoi17」では作品を随時更新中
2012年1月29日(日)
2012/01/29 (日) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第17回 卒業展まで残り2週間
┃卒業展まで2週間ロンドンで開かれる卒業展まで、カウントダウンという時期だ。わたし自身も、コース全体としてもまだ全く準備が調っておらず、さすがに焦り出してきた。まだパネルに飾る絵も選んでいなければ、会場全体のレイアウトも決まっていない。わたしは、これからサイドプロジェクトとして進めていた本の表紙を作り、その見本を学校で印刷して製本する予定だ。本当にあと2週間しかないのだろうかと疑いたくなる。先日、お正月明けに提出した課題が返却され、無事に卒業制作にも単位が付いた。教授からのポジティブなコメント、そしてマスターの学位が取れることが確定し、とりあえず一安心だ。課題のフィードバック用紙の一番... more
2012/01/17 (火) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第16回 卒業展間近の年末年始
┃課題提出あけましておめでとうございます。冬至を過ぎて、日が暮れるのが毎日少しずつ遅くなっていくのが感じられる。それでもまだ朝は8時にならないと日が昇らない。4日に卒業制作とそれを振り返えってのエッセイを提出した。なぜか卒業展のひと月前に採点のために課題提出があるので、途中段階のダミーブックを作り、原画もしばらく手放さなければならない。このコースの場合、誰もが良い成績をとること以上に、卒業展の展示が仕事の契約と結びつくかどうかを気にしているので、これはゴール直前の通過点のような存在だ。 課題提出用に卒業制作 "Little Brown"を製本した。┃クリスマス今年のクリスマスは、ケン... more
2011/12/18 (日) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第15回 留学を通して得たこと
┃留学を通して得たこと12月8日にあった卒業制作の最終評論会で、授業、チュートリアルがすべて終わってしまった。そうはいっても課題提出は1月初めで、ロンドンでの卒業展まではひと月半あるので、まだまだ作品づくりは続く。それにしても本当にあっという間の一年半で、留学生活が終わりに近づいているということがまだ認識できていないような気がする。 このコースでは、何か技術や知識を習ったというよりは、自分の作品や人の作品を見る目が養われた。チューターやクラスメイトの作品、彼らがわたしの作品に対して発したコメント、そしてスタジオで見た世界各国からの多種多様な絵本やイラスト、すべてのことに非常に刺激を受けた... more
2011/11/08 (火) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第14回 マスタープロジェクト(卒業制作)
┃マスター・プロジェクト 9月から最後の学期がはじまり、マスター・プロジェクトと呼ばれる卒業制作に入った。来年の2月初めに予定されている卒業展覧会に飾るメインの作品となる。多くの人が絵本という形にまとめることを目標としているが、ポストカードやポスターのシリーズを作るのでもよいことになっている。 今学期の授業は基本的には週に一度のチュートリアルしかなく、その他の日は、ひたすら個人で制作に打ち込んでいる。わたしはクラスの友人3人と住んでいるので、毎日お互いに進捗情報を聞いたり、作品を見せてアドバイスをもらったりしている。チューター以外に、制作過程を見守っていてくれる人がいるというのは、とて... more
2011/10/06 (木) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第13回 留学生活1年を振り返って
┃留学生活1年を振り返って 渡英してから丸1年になる。1年を無事に過ごした記念に友達と2人で、ケンブリッジから5キロほど離れたグランチェスターという村まで歩き、お茶をしてきた。こちらに来て最初の日曜日に2人で出かけた場所だ。1年の間にわたしの英語も少しばかり上達し、様々なことを共有し、友達といろいろなことが話せるようになった。ここでロビン・フッドの話をしたよね、このテーブルに座ったね、などと、1年前のお茶の時間を昨日のことのように思い出した。 ┃東日本大震災チャリティ展覧会この9月は東日本大震災からちょうど半年という時期でもある。わたしが在籍するChildren's Book Ill... more
2011/08/08 (月) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第12回 新居での生活
┃新居での生活 22時まで明るかった夏至の日からひと月半ほどがたち、21時には日が暮れるようになり、寂しい思いをしている。新しい家に引っ越してから、ひと月以上がたったことにもなる。怒濤の家探しの結果、最終的にわたしたちが選んだのは、食料品店の二階にある家で、小さいながら内装は新しく快適なところだ。キッチンとバスルームに、小さな部屋がふたつと、大きな部屋がひとつあり、大部屋はふたりがルームシェアをすることになった。基本的に3人用の家だったため、4人で住むにあたり、いくらか大家との交渉が必要だった。何しろはじめ、3人で住む場合より155ポンドも上乗せで家賃を払えと言われたのだ。運良く値切る... more
2011/07/06 (水) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第11回 夢が実現!
┃イギリス人野生動物画家ジョン・バズビー氏に会いに 前回の体験談を書き上げた翌日、新しい家の契約手続きすべてを友達にお願いして、一週間のスコットランド旅行にでかけた。8000語のエッセイを書いていた際に、わたしが尊敬するイギリスの野生動物画家のひとりジョン・バズビー氏のアドレスを偶然に見つけ、思い切って手紙を書いてみたところ、幸運にもお会いできることになっていたためだ。イギリスへの留学を本気で考えはじめたころ、サンダーランド大学で環境イラストレーションを学ばれた神戸宇孝さんにお会いし、学校の課題で描かれた作品やイギリスから持ち帰られた画集などをたくさん見せていただいた。イギリスの野生動... more
2011/06/20 (月) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第10回 部屋探し
┃留学生活2年目、大学所有の家を出る 6月末でいま住んでいる大学所有の家を追い出される。学生数の割に大学が持っているアコモデーションの数が限られているせいもあり、基本的には2年目以降の生徒は自力で住むところを確保しなければならないようだ。しかも学校のアコモデーション・オフィスは、民間運営の部屋や家を探すサポートをしてくれるわけではまったくない。 ケンブリッジでは、3部屋、4部屋の家が最も多いので、ほとんどの学生は居住時期が同じ友達同士でグループを組み、家一軒を借りてシェアしている。もちろんシェアハウスの1部屋を探すことも可能で、実際に友達ができる前の最初の一年は、イギリス人もみんな... more
2011/05/17 (火) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第9回 8000語のエッセイ
┃2学期の二つ目のモジュールは8000語のエッセイ なんとか8000語のエッセイをやっつけた! 今期の後半は、イースター休暇も含めて、エッセイを書くためにずっと引きこもり状態だった。ここひと月ちかく、日中は20度を超えてTシャツで十分なほどの陽気がつづいていたので、友達と川沿いの公園でピクニックをしようと話していたのに、誰もそんな余裕はなく、とうとう実現しなかった。 2学期の二つ目のモジュールは、絵本やイラストに関わる内容でテーマを選び、それに関して研究をして6000−8000語のエッセイを書くというものだった。Dissertationとは呼ばれてこそいないけれど、修士論文的な位... more
2011/04/12 (火) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第8回 Bologna Children's Book Fair
日本はちょうどお花見シーズンだろうか。 イタリア旅行から帰ってきたらイギリスはすっかり春になっていた。日中の気温は20度近く、アイスクリームを食べながら公園の芝生に寝そべっている人がいっぱいいる。サマータイムに切り替わったせいもあり、夕方は八時近くまで明るい。シラコバトの求愛を眺めながら夕飯をつくるのが日課になっている。桜はすでに盛りを通り越して葉が出ており、日本よりも一足、春が早いような気がする。未だに地震の影響で停電中だという地域に分けてあげたい、明るさと暖かさだ。 ┃ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア Bologna Children's Book Fair 3月末、クラスメ... more
2011/03/09 (水) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第7回 Second Semester
太陽が6時半には昇るようになった。クロウタドリがさかんにさえずっていて、日々春を感じている。プロジェクトの課題が忙しくて、フィールドに出られないのがもどかしい。 ┃2学期のモジュールでは実際の絵本作り 2学期はじめのモジュールは、実際に子どもを対象にした絵本、または一連のポストカードなどを作るというものだった。内容に制約はなく、わたしのように自分で話と絵を作った人もいれば、童話や詩、オペラの挿絵を描いた人、昔話の再話を試みた人、生物の集合名詞を覚える本、中国正月を紹介する絵本を作った人もいた。リソグラフやモノプリントなどのプリントメイキング技法に挑戦している人が数人いて、ちょっとうらや... more
2011/01/31 (月) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第6回 RSPB(王立鳥類保護協会)での活動
ようやくというべきか、早くもというべきか2学期がはじまった。久しぶりに顔を合わせたクラスメートと休み中の出来事を語りあい、返却されたお互いの課題を見せ合ったのも束の間で、すでに次のプロジェクトがはじまり忙しくなった。今回のエッセイでは、アート留学とは直接、関係はないが、留学を考えている人のなかにはバードウォッチャーもいるかもしれないので、課外活動としてわたしが参加しはじめたRSPB(王立鳥類保護協会)ケンブリッジ支部での体験をまとめてみた。 ┃RSPB(王立鳥類保護協会)ケンブリッジ支部に入会 バードウォッチングが好きなわたしは、10月初めに自転車を買い、すぐさまケンブリッジ市内から... more
2011/01/06 (木) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第5回 First Semesterの課題提出
あけましておめでとうございます。年明け直後の1学期分の課題提出を終え、2週間ほど真の休暇に入った。何しろクリスマスもお正月も、エッセイと課題の絵を仕上げるのに追われ、ちっとも気兼ねなく遊べるような状況ではなかったのだ。 ┃イギリスのクリスマス 12月頭、最後の授業が終わった数日後に、コースの友達、ハウスメイトのほとんどがクリスマスを過ごしに家へ帰ってしまった。12月半ば過ぎには、ケンブリッジに残っている友達はほとんどいなかったようだ。実際、こちらに残っていてもスタジオはクリスマスからお正月明けまで閉まっており、図書館も29、30日にセルフサービスが数時間開いているほかは閉館しており、何... more
2010/12/02 (木) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第4回 アコモデーション
11月半ばから町はクリスマスショッピングのムードで満ちあふれている。先日、ハウスメイトが1メートルほどのクリスマスツリーを買ってきてくれ、コモンルームが一気に華やかになった。 ┃アコモデーション わたしが住んでいるのは大学所有の家のひとつで、キャンパスに接している。わたしを含め6人でキッチンとコモンルーム、バスルーム、シャワールームをシェ アしている。女性4人、男性2人で、そのうちイギリス人が3人、EUからの留学生が2人、そしてわたしという構成だ。はじめは男女混合というのに驚いた が、却ってさっぱりした関係が生まれて快適だ。部屋決めに院生/学部生、性別、人種などが考慮されたわけではなさ... more
2010/10/28 (木) | アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第3回 一週間の時間割り
渡英してから6週間が経った。毎週、一週間が過ぎ去る速度が早くなっているように感じる。今回は一週間の時間割と最初のモジュールについて書くことにする。 ┃一週間のタイムテーブル わたしのコースは卒業までに5つの必修モジュールがあり、それを順番にこなしていくという実に単純なスケジュールになっている。選択科目はなく、コース内の全員が同じ授業を受ける。とはいっても美術専攻なので個人作業が大半だ。今学期、学校に行かなくてはならない日は週に3日間。火曜日と木曜日が個人指導の日で、その段階までに描いた作品を先生に見せてアドバイスをもらい、今後の方針を相談する。朝9時にスタジオに集まって出席をとり、連絡... more
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